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最高裁判所第三小法廷 昭和28年(あ)3187号 判決 1956年4月10日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人内藤丈夫の上告趣意第一点について。

所論は単なる法令違反の主張であって刑訴四〇五条適法の上告理由に当らない。のみならず公職選挙法四九条三号同法施行令五二条一項三号に基いて作成される医師の証明書(不在者投票のための証明書)は、その内容が人の健康上の状態に関する判断を包含する限り医師法二〇条にいわゆる『診断書』と解すべきものであることは昭和二八年(あ)第三二〇三号、同三〇年一二月二日当裁判所第二小法廷決定に徴し明らかである。

第二、三点について。

所論は事実誤認又は単なる法令違反の主張であり、また所論のような判例違反も認められないから採用の限りでない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三九六条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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